2006年10月04日

酸化剤・還元剤


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前提記事:酸化数
発展記事:金属元素のイオン化傾向

今回のお勉強は、

酸化剤、還元剤。なんか薬みたいな名前ですねぇ☆

薬局にて「すいませーん、ちょっと、痔に効く酸化剤ください」みたいな。なんでやねん。


でね、酸化剤還元剤、このあたりがね、またね、面倒くさいところなんですよ。


あ、ちなみに。


酸化還元反応、って、こっからさきの化学の勉強において、本気で非常に重要なトコロになってきますよ☆



つうことで

酸化剤とは。


相手を酸化させるモノ。



当然還元剤は、

相手を還元させるもの。



定義だけ説明すればたったこれだけのことです。


が。


これがホントに、わかったようでわかってないことが多いんだなあコレがほんとに。





酸化反応と還元反応は、必ず同時におこります。どちらか一方だけを表す「半反応式」はあっても、それが単発で起こることはない

半反応式とはH2→2H++2e-
みたいな奴のことですが、まあ、ふうん、程度に思えばおk。

で、これは単独でおこることはなくて、必ず、現れた電子(e-)を回収する反応が起こるんです。

なので、酸化反応で現れた電子と、還元反応で使われた電子の数は等しい。


でだ。


酸化剤は「相手を酸化させる」ということは、自分自身はどうなるのか



酸化反応と還元反応は同時に起こる、とよく言いますが

酸化剤が相手に酸化反応を起こさせるということは、同時に還元反応がどこかでおこることになります


その「どこか」ってのが、自分自身が還元される反応 なわけ


はい。


酸化剤・還元剤の定義その2。


酸化剤は、自分自身は還元される。

還元剤は、自分自身は酸化される。



それの判断基準として頭の中においておきたいのが


相手から電子を奪うのが酸化剤


自分が電子を放出するのが還元剤。




では、定義の話ばっかりしててもしょうがないので、具体例をあげていきましょう。



Naを水の中にぶちこんだときの反応。


見たことある人もいるかもしれませんが、ナトリウム、めちゃめちゃ反応性が高い物質です。

水に触れようものなら、すげぇ勢いで「シュオウォワアァァァァァァァア」と音をたて、なにやら気体を発生させながら消えていきます。


このとき、Naはどう反応しているのか。


まあ、とりあえず前提として知っておいてもらいたいこととして、「金属は水に溶けるとイオンになります」

この話の説明はとりあえずおいておいて、



とにかく、イオンになるんですよ。


Naは、原子番号11番ですから、Neと同じ電子配置になって安定するために、電子を1個失って1価の陽イオンになります。

そう、Na+


「電子を1個失って」ということで、電子を1個失うわけですが、これを化学式で書くと


Na→Na++e-


化学式に、「e-」がでてきてますねぇ。

これ、電子を表してるんです。


さて。


Na君は、自らがはイオンとなることによって、電子を1個放出してます



電子を放出するということは・・・・・


そう、還元剤!




言っちゃうと、金属が単体でズバッと出てきたら、大抵、価電子の数だけ電子を放出して、自らは陽イオンとなります。


言い換えると


金属の単体は大抵還元剤として働く!



酸化剤の例も挙げておきましょうか


上の反応で、酸化剤として働くのはなんでしょう。

・・・・・。


ナトリウムを水にぶちこんだわけだから・・・


Na以外の物質といったら、H2Oしか残ってませんね☆


水はどのように変化するかと言うと・・・

まず、水は、水素イオン水酸化物イオンに電離します(@)。

次に、水素イオン電子を受け取って水素が発生します(A)。


水が、水素イオンと水酸化物イオンに電離する、っていうあたりの話は、こちらの記事酸・塩基をどうぞ。



んさて。


上の反応を、式で表します。

@H2O→H++OH-

A2H++2e-→H2


続いて、@とAをまとめます。H+の数が同じになるように、

(@×2)+Aを計算します。 右辺と左辺で同じ数だけあるH+は相殺するので、式は次のようになるんだなぁ

2H2O+2e-→H2+2OH-


ね。


水は電子を2個受け取って、水素と水酸化物イオンになります。



そして。



上に書きましたね、「相手から電子を奪って自身が還元されるのが、酸化剤


2Oの中のHの酸化数は+1
2の中のHの酸化数は、単体なので0

酸化数が減っているということは、Hは還元された、ということ。

ちなみに、OH-の中のHの酸化数+1で、反応前と変化してないので、影響してません。

また、Oは反応前と反応後で、酸化数は-2のまま変化してません。


だから、Hが還元された、と言うことができるわけですね☆


つまり。

ここでは、Hが酸化剤として働いたわけですb


では最後に、酸化剤の半反応式と、還元剤の半反応式をまとめて、一つの反応式を作りましょうか


随分上のほうに書いたので忘れちゃったかもしれないけど、還元剤の半反応式はこれですこれ
Na→Na++e-・・・@

酸化剤はこれ
2H2O+2e-→H2+2OH-・・・A


還元剤が出す電子と、酸化剤が受け取る電子の数は同じになるはずだから、@の式を2倍して、二つの式を足します
左右で同じ数になった電子は相殺して式から消えますね

(@×2)+A
2Na+2H2O→H2+2Na++2OH-

ただし、ナトリウムイオンは1価の陽イオン、水酸化物イオンは1価の陰イオンということで、くっついて

2Na+2H2O→H2+2NaOH

これが、水の中にナトリウムを入れたときの、酸化還元反応の反応式b


水素が発生して、水は水酸化ナトリウム水溶液になるっちゅーことがわかるわけだb



説明いれながらだから、化学式書くのに時間かかったように見えるけど、実際に書いてみると結構アッサリできちゃうから大丈夫です♪



〜本日のまとめ〜

相手から電子を奪って自身が還元されるのが、酸化剤
電子を失って自分自身が酸化するのは、還元剤


前提記事:酸化数
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posted by 真田正大 at 21:33 | Comment(15) | TrackBack(0) | 酸化還元反応
この記事へのコメント
酸化剤の半反応式で、一回目に書いたほう。
2OH- だと思うんですけど OH-になってるのですが・・
Posted by mui at 2006年11月03日 17:57
あ!本当ですね!気が付きませんでした!
ご指摘ありがとうございます。訂正しておきました。
Posted by 真田正大 at 2006年11月03日 22:20
今!はじめて
酸化還元反応を
理解しました(゚D・)
感動です!!
ありがとうございます!

本当に半泣きで
参考書と
にらめっこしてたんですけど
わからなくて…。
もう化学捨てるしかない、とか
思ってたんですけど、
わかりました!

なんとお礼を言ったらいいか。
化学がんばって
良い点取ります!
ここまで細かく
ありがとうございました!!


真田正大
こちらこそ、ご訪問ありがとうございます!
お役にたてたようで、こちらも本当に嬉しくおもいます。励みになります!
がんばっていい点とってください!
今後もお役にたてるように記事を執筆&改善していきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いします!
Posted by ほ! at 2009年06月18日 00:51
Na以外の酸化剤、還元剤(ちょっと複雑なやつ、過マンガン酸カリウムとか)の水溶液中での働きがよくわかりません。なんで酸性と、中性、塩基性でちがうんですか?カリウムだけがなぜ離れるのですか?
Posted by とある通りすがりの高校生 at 2009年12月06日 15:44
真田くんの高校時代の同級生です。懐かしいなと思いながらたまに見に来てます。
彼が忙しそうなので、代役が務まるかわかりませんがお答えしておきます。
おかしいところがあったら彼が指摘してくれるでしょう。

まず、マンガンのとる酸化数は+2,+4,+7。よって2価、4価、7価の化合物を作ります。
この中で、2価のマンガンの化合物(有名なところで硫酸マンガンMnSO4)は酸化剤として働きません。
自身が還元されることによって相手を酸化するので、すでに自身が取りうるなかで最小の酸化数(+2で)となってしまっていてはそれ以上働けないわけです。
4価は酸化マンガンIV(MnO2)が有名な酸化剤です。
濃塩酸をくわえて加熱すると
MnO2 + 4 HCl → MnCl2 + Cl2 + 2 H2O
という反応をし、Mnの酸化数は+4から+2まで下がり、Cl‐イオンの一部を塩素分子のにして酸化します(Clの酸化数は-1から0)

で、ご希望の過マンガン酸カリウムのほうを詳しく書きましょう。

過マンガン酸カリウムは言うなれば酸化のプロ。(高校化学の範囲では)相手が何だろうが酸化剤として働きます。還元剤として働くことはありません。
たとえば酸化剤としても還元剤としても働く過酸化水素と反応させた場合、プロである過マンガン酸カリウムが酸化剤として働き、過酸化水素は還元剤として働きます。

酸化剤として使うときは硫酸をくわえて酸性溶液にしておきます。
この状態にしないと+7のマンガンイオンが+2のところまで還元されないんです。
つまり、過マンガン酸カリウムは中性溶液のまま使ったら酸化剤としてはザコなわけです。
なぜ?になぜ?を重ねるとどんどん深くなるので、
硫酸をくわえることによって過マンガン酸カリウムがしっかり働ける状態にしてやる必要があるということをまずおさえてください。
そうしてやると、次のような反応が起こります。

MnO4- + 8 H+ +5e- →Mn(2+) + 4 H2O

イオン結合の化合物は水溶液にすると電離するのでK+ とMnO4-に分かれます。


長くなるので一回切ります。
Posted by 浦守 at 2009年12月18日 00:36
続きです。

塩酸でもそうです。HClは水に溶かすとH+ とCl- に電離するんです。
この電離のしやすさが=酸の強さであり、電離度が1(ほとんど完全に電離する)酸を強酸と言います。
なぜMn04‐はそれ以上分離しないのかというと、そのほうが安定だからです。あまりゴチャゴチャすると複雑化するので「そのほうが安定だから」にとどめておきます。

話を戻しましょう。

このとき、電離したK+は仕事をしないので半反応式には入っていません。
過マンガン酸カリウムを使った全体の反応を記述するときにはイオンの数を合わせるようにK+が現れます。

たとえば過酸化酸素と反応させると

2 KMnO4 + 3 H2SO4 + 5 H2O2 → 2 MnSO4 + 2 K2SO4 + 5 O2 + 8H2

となります。Kの酸化数に注目してください。働いていないので変化はなく、どれも+1になっています。

ちなみにH2O2の還元剤としての半反応式は

H2O2 → O2 + 2 H+ + 2e-

で、過マンガン酸イオンの式×2とこの式×5で辺々を足してやると

2 MnO4- + 6 H+ + 5H2O2 → 2 Mn(2+) + 5 O2 + 8H2O

となります。
ここに、最初のイオンについていたK+を2つ戻し、


2 KMnO4- + 6 H+ + 5H2O2 → 2 Mn(2+) + 5 O2 + 8H2O + 2 K+

硫酸溶液から出てくるSO4(2-)イオンをくわえて左辺のH+と対にしてやり、右辺の余った陽イオンに形式上くっつけると

2 KMnO4- + 3 H2SO4 + 5H2O2 → 2 MnSO4 + 5 O2 + 8H2O + K2SO4

となり、反応式が完成します。

仕事をしたのは過マンガン酸イオンの中のMn(7+)なので、Mn以外は左辺と右辺で酸化数の変化はありません。

すこしは理解の助けになったでしょうか?
イオンの色なども試験で問われるので覚えておきましょう。



式は全角数字が係数、半角数字が右下の添え字、イオンの後ろの-,+や(2+)は右上の添え字です。

最初のレスの最後の式は5 e-と書くべきところを55e-と書いてしまいました。分かると思いますが読み替えてください。

>真田
おせっかい申し訳ない。笑
懐かしかったから勢いで書いてみた。指摘&補足任せるよb
Posted by 浦守 at 2009年12月18日 00:53
返事が遅くなってしまって申し訳ありません。
浦守くんの説明で正しいです。
まず、過マンガン酸カリウム等の働きが何故酸性中性塩基性で違うのか、に関して。
過マンガン酸イオンが酸化剤として働くときの
MnO4- + 8 H+ +5e- →Mn(2+) + 4 H2O
という反応が起こるためには、左辺を見ればわかるように「H+」が必要です。中性や塩基性では、水溶液中にH+がほとんどありません。酸性にしてやれば、この反応が起こり、過マンガン酸イオンが酸化剤として働くことができるんです。

次に、何故カリウムだけが離れるかについて。
KMnO4は水溶液中ではK+とMnO4-に電離するのですが・・・
これは、その方が安定だから、と言うことしかできません・・・
MnO4-は、Mn原子の周りにO原子が4つ正四面体型に綺麗に結合した構造をしています。この形がとても対称性がよく、崩れにくいんです。ちなみにwikipediaの「過マンガン酸塩」の項目に画像があります。
この正四面体にK+がちょこんとくっついた形が過マンガン酸カリウム分子なので、端っこのK+は割と簡単に外れるんです。


>浦守
代わりに説明してくれてどうもありがとう。
指摘といえば、「過酸化酸素」「KMnO4-」っていう細かいミスが若干あるくらいかな
Posted by 真田真大 at 2009年12月21日 00:51
(・・・まだ更新してますか?)

酸化剤・還元剤のはたらき方って覚えないとダメな感じですか・・・?w

物質名      
オゾン     O3   O3 + 2H+ + 2e- → O2 + H2O
過酸化水素  H2O2 + 2H+ + 2e- →2H2O
          H2O2       + 2e- →2OH-
過酸化水素  H2O2 → Na+ + e-
↑↑↑↑↑
こーゆーの・・・・

あと。。。
電子e-の数???ってどうやってわかるんですか・・・・?

もし、時間あったら教えてくださーぃ。


真田正大
すみません、地味に更新していますが、コメントの返信も遅くなってしまいましたね・・・
酸化剤・還元剤の働き方は覚えなければなりません。
が、式を丸々覚えるのではなく、「過酸化水素は水か酸素になる」「熱濃硫酸は二酸化硫黄になる」というように、「何に変化するか」さえ覚えておけば、
酸化数の変化や両辺の原子の数や電荷をを元に半反応式を作ることができます。
電子の数もその時に、酸化数の変化や両辺の原子の数・電荷をあわせようとすると決まってしまいます。

時間がありましたらそれもまた記事にしてみたいと思います。
Posted by yuzu at 2011年09月05日 02:07
こんなに分かりやすくて楽しい勉強は初めてです。やる気が出て、本気で勉強しようと思いました。 ありがとうございました。これからも活用させて頂きたいと思います。

真田正大
ありがとうございます!こちらこそ、お役に立ててよかったです!是非これからも使ってください!
Posted by 高校一年女子です。 at 2011年10月27日 20:23
おぉ(゜o゜)!!?


わかってきたかも☆
明日もこれ見ながら頑張ってみます!!

真田正大
ありがとうございます。是非頑張ってみてください!
Posted by みなみ at 2011年12月01日 23:31
とてもわかりやすくて教科書で理解できなかった内容が理解できました。
明後日テストなので助かりました。
ありがとうございました。
Posted by onion at 2012年02月22日 22:26
理解できました               ありがとうございます。           これからも活用させていただきます。
Posted by 東 at 2012年02月25日 17:47

大変分かりやすい説明でいつも見させて頂いています。

いきなりで申し訳ないのですが、黄色の文字が読めないのです。
他の色で書いて頂けませんか?
Posted by 2m at 2012年11月18日 18:28
すごくわかりやすかったです!
あの、2e-とかの2ってどうやって出てくるんですか?
電子が2個って意味なんですか?
質問すいません
Posted by みいち at 2012年11月25日 18:44
酸化剤 還元剤の答え方がわかりません。どこを見たらいいのかさえさっぱりです。
Posted by もきゅ at 2012年12月22日 15:42
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