2010年03月22日

いろいろな反応熱


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前提記事:熱化学方程式

今回は

・融解熱、蒸発熱
・生成熱
・燃焼熱
・溶解熱
・中和熱


これらをガガッと片付けます。


まず蒸発熱


水が蒸発する反応って、発熱反応吸熱反応かどっちでしょう。


…水が沸騰して熱くなってる様子を思い浮かべると、なんとなく発熱反応っぽい…


では、H2O(気)とH2O(液)は、どっちのほうが持ちエネルギーが大きいと思うか!!


よくわからないですね

ここで考えるのは、僕らが水を沸騰させるときに、何をやってるかですよ。

火で加熱しますよね。もしくはIHクッキングヒーターで加熱しますよね。

熱を加える。つまり熱量を水に与えてやってるわけです。

そしてその結果、水は水蒸気になる。…ということは。



火なり電気からエネルギーを受け取った分だけ、H2O(気)のほうがH2O(液)よりも

持ちエネルギーが大きい!!



水が沸騰する、っていうのは、水の持ちエネルギーが大きくなる反応なんですね。

その際、水は火や電気からエネルギーを吸収します


ということで。

答えは、吸熱反応です。



さっきみたいな不等式で書くと

H2O(液)<H2O(気) ということになります。

これが、右辺から44kJを引いてやると、イコールになります。

H2O(液)=H2O(気) - 44kJ

この44kJが、蒸発熱、というわけです。



では水が凍って氷になる反応は発熱反応?吸熱反応?



これ、冷蔵庫を使って水をどんどん冷やしていきます。


冷やす、っていうのは、熱エネルギーをどんどん奪いさる、ってこと


物が冷えるとき、そいつは熱エネルギーをどんどん外に放出してるわけです。


熱を放出している、ということは、それまさに発熱反応ですね。


1molのH2O(液)が凍るときに放出する熱量が、水の融解熱、というわけ。


この辺の話、間違えそうだなと思った人は注意しておきましょう!



では次。


生成熱



これは、最も安定な単体からその物質1molを作る時に出入りする反応熱のこと


この「最も安定な単体」には、大抵、原子と同じ名前がついてます。


酸素原子Oからなる最も安定な単体は酸素O2(気)

窒素原子Nからなる最も安定な単体は窒素N2(気)


ただ、注意が必要なのが炭素です。こいつは「炭素」っていう安定な単体はないです。

かわりに(黒鉛)って書きます。何故わざわざC(固)ではなくC(黒鉛)って書くのかというと


C(固)って書くと、あてはまる物質が黒鉛以外にも出てきちゃうんですよね。

…知ってますか?


正解はダイヤモンドです。これ、炭素のかなり安定な単体です。


でも、最も安定なのはダイヤモンドより黒鉛だそうです。

まあ、ふうん、程度に思っておきましょう。


さて。これら「最も安定な単体」からある物質を作る時に発生する熱が生成熱です。


例えば。


CO2の生成熱を考えます。

構成元素は炭素Cと酸素Oですね。

それぞれの最も安定な単体は

C(黒鉛)と、O2(気)。

よって、C(黒鉛)とO2(気)から二酸化炭素が生じる時に発生する熱を考えれば、それが二酸化炭素の生成熱。


ちなみに、二酸化炭素の生成熱は394kJ/molです。これを熱化学方程式で表すと

黒鉛と酸素が394kJの熱を放出しながら1molの二酸化炭素になるので

C(黒鉛) + O2(気) = CO2(気) + 394kJ

となります。


もう一例だけあげておきます。

水の生成熱を考えましょう。

水を構成する元素の最も安定な単体は・・・?


H2(気)とO2(気)ですね。

ちなみに水の生成熱は286kJです。これを熱化学方程式で表すと


水素と酸素が286kJの熱を放出しながら1molの水になるので


H2Oseisei.gif


となります。


水1molについて考えているので、H2Oの係数が1になるようにします。

それに合わせて他の物質の係数が分数になることは有り得ます


では次です。


燃焼熱


これは、ある物質が酸素と化合する時の反応熱のことです。


いろんな反応がある中でわざわざ酸素と化合する場合だけを「燃焼熱」と名前つけて取り扱う理由はよくわかりませんが、まあ、よくある反応だから、程度のことでしょう。


ここで、「酸素1mol」でも「生じる物質1mol」でもなく

「燃焼する物質1mol」に注目することに注意してください。


なので、例えば水素の燃焼熱は次のようになります。

H2Oseisei.gif


先程の、水の生成熱の式と同じですね。この式は実は水素の燃焼熱も表していたんですが


生成熱の時は、右辺のH2Oの係数を1にするためにO2の係数を1/2にしましたが

今回は左辺のH2の係数を1にするためにO2の係数を1/2にしました。


では次です。


溶解熱


実は、物質を水なりなんなりに溶かしたときも、熱が発生します。意外ですね。でも手で触ってわかるような量は発生しないので、体感するのは多分難しいです。


で、この「溶解熱」は、大量の水(等の溶媒)に物質をとかした時に生じる熱です。


濃い溶液を作った時の話ではありません。


さて、高校範囲では、溶解熱の話をするときは水溶液の話しか出てきません。


エタノールにとかした時の話は出てこないわけです。まあ、絶対とは言えませんが・・・


で、熱化学方程式の上では、その「大量の水」のことをaqと表します。


ラテン語で水を表すaquaが語源らしいです。

「アクア」ってよく聞きますよね。ゲームとか、歯磨き粉とか。


溶解熱の場合は、溶かす物質(溶質)1molをとかした時の発熱量を考えます。


例えば水酸化ナトリウム1molを大量の水にとかした時の溶解熱は次のように表されます。

NaOH(個) + aq = NaOHaq + 45kJ

NaOHaqは、薄い水酸化ナトリウム水溶液を表します。


最後です。


中和熱


酸性のものとアルカリ性のものが中和して水1molができるときに発生する熱量です。


こんなところでも熱量が発生するんですね。

でもこれも触ってわかるようなレベルではないので体感するのは多分難しいです。


式としては

H+ + OH- = H2O(液) + 56.5kJ

これだけです。中和反応っていうのがこれしかないので。




以上です。今回はほぼ用語説明みたいな記事でしたね。


〜今回のまとめ〜
蒸発熱:ある物質1molが蒸発するときに吸収する熱量
融解熱:ある物質1molが融解するときに発生する熱量
生成熱:ある物質1molが、最も安定な単体からできるときに発生する熱量
燃焼熱:ある物質1molが酸素と化合して燃焼する時に発生する熱量
溶解熱:ある物質1molが大量の溶媒に溶ける時に発生する熱量
中和熱:酸性の溶液と塩基性の溶液が中和して水1molができるときに発生する熱量


前提記事:熱化学方程式

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posted by 真田正大 at 19:56 | Comment(9) | TrackBack(1) | 物質の変化、熱
この記事へのコメント
私も教育関係のブログをしているので、見に来てくれてコメント残してもらえると嬉しいです♪
私のブログは絶対に成績を上げる勉強法を紹介しています!100%上がるなら見ないと損ですよね?
同じ教育系のブログをしているのでお互いの参考になればいいなと思ってコメントしました(*^_^*)
失礼します。ブログURL→http://froce.seesaa.net/?1265709708

真田正大
ブログ拝見いたしました。大変素晴らしいブログですね。
今後ともよろしくお願いいたします!
Posted by rin at 2010年04月20日 22:41
 いつも参考にさせてもらっています。
相互リンク登録お願いします!
東大合格塾
  http://jfs2ng.eek.jp/

真田正大
相互リンクの件ありがとうございます。
メールでも申し上げました通り、アクセスできないので確認をお願いします。
Posted by 七資産 at 2010年05月22日 21:08
最後の「今回のまとめ」で融解熱の説明が1モルが「誘拐」するときになっていますよ。

真田正大
ご指摘ありがとうございます!
訂正しておきました。
Posted by 河村雄一 at 2010年06月17日 11:26
ちょうど熱化学方程式のテストがもうすぐあるので確認のために利用させていただきましたm(_ _)m。ホント、毎回役に立ってます。

失礼ですが、ちょっと間違ってるんじゃないかなと思うところが数箇所あったので指摘させていただきます。
燃焼熱のまとめの部分に、
「生成熱の時は、右辺のH2Oの係数を1にするためにO2の係数を1にしましたが今回は左辺のH2の係数を1にするためにO2の係数を1にしました。」
とありますが、「O2の係数を1/2にした」の間違いじゃありませんか?
あと、中和熱の反応式での生成物は「H2(液)」ではなく「H2O(液)」ではありませんか?
余計な指摘だったらごめんなさい……。


真田正大
役立てていただいて大変嬉しいです。
ご指摘についてですが、全ておっしゃるとおりでしたので訂正させていただきました。
ご指摘ありがとうございました。
Posted by RAB at 2010年07月03日 14:02
真田くんの高校時代の友人です。
テストには間に合わなかったかもしれませんが一応代わりに回答しておきますと、


生成熱の時は、右辺のH2Oの係数を1にするためにO2の係数を1/2にしましたが

今回は左辺のH2の係数を1にするために右辺のH2Oの係数を1にしました。

と考えるのが良いと思います。

前者は読んだままで分かると思いますが、後者は本文にあるとおりだと(係数は間違って書かれていますが手順としては)「1molのH2とどれだけのO2でH2Oが上手いことできるかな…?」と考えています
しかし「左辺のH2の係数1と右辺のH2Oの係数は同じでないと式が成立しないから右辺のH2Oの係数は1、O2の係数は右辺のH2Oの半分である必要があるから1/2」と考えた方が流れとして自然ですので先に右辺のH2Oの係数を定めたほうが良いでしょう。

ちなみに有機化合物などの燃焼反応(有機化合物が燃焼し、水と二酸化炭素が出来る反応)の時、H2Oの係数をまず定めてO2の係数は一番最後に決めるのが楽です。
というのは、この式ではO原子はH2Oからしか出ていませんが、H2OとCO2の2種類の化合物の生成に必要なO2を先に考えるのは面倒ですので、
まずH原子に着目してH2Oの係数を決める、続いてC原子の数に着目してCO2の係数を決める、最後に右辺にあるO原子の数を数えて左辺のO分子がどれだけ必要かを考える、という流れで考えます。

Posted by 浦守(助っ人) at 2010年07月15日 00:51
中和熱のほうもご指摘の通りです。
生成するのはH2O(液)です。


真田正大
いろいろ解説ありがとうございます。
本文記事も訂正しておきました。
Posted by 浦守(助っ人) at 2010年07月15日 00:52
浦守さんご解答ありがとうございます(*^-^)。
確かにおっしゃるとおりH2Oの係数を定めたほうが自然ですね。
問題をとくテクニックまで教えてもらって、とてもありがたいですm(_ _)m。

この前のテストでは、化学で98点を取り、初めて学年1位をとることができました!!(化学以外は結構ぼろぼろでしたが…(笑))
すいません、嬉しかったので自慢してしまいました…(´・ω・`)。

今回の化学の出来が良かったのも、高校勉強攻略ノートのおかげです!更新待ってます!


真田正大
なかなか時間がとれず、お返事や更新が滞っており申し訳ございません。
学年一位、おめでとうございます!その助けになれたのでしたら大変光栄です!
Posted by RAB at 2010年07月31日 23:37
自分は高校生なんですが
とてもわかりやすい説明に感動しました。
学校の先生の説明よりよっぽどわかりやすく
面白いです。
更新期待してます。

真田正大
ありがとうございます。わかりやすい、面白いと言っていただけるととても嬉しいです。
なかなか更新できておらず申し訳ありません。
Posted by マットン at 2010年09月05日 23:04
こんにちは!
とってもわかり易く、これから拝見していきたいと思うのですが、黄色の文字や、薄い色で書かれている文字が読めません(泣)
改善していただくことってできますか?!
Posted by あい at 2013年11月27日 00:19
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Tracked: 2010-07-03 16:11
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