2009年10月01日

複素数平面


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今回は複素数平面のお話をします。


世代によって、教科書に載ってたり載ってなかったりする奴です。


教科書改訂のたびに消えたり現れたりしてるからです。



しかし!教科書に載ってなくてやる必要のない人も!




知っとくと便利だから!


複素数自体はやるよね??



そんときにさ!ちょっと便利に使えるから!!



ちょっと聞いてって!!



・・・でも今回の話はちょっとあれかもしれない。ベクトル的な感じや極座標的な感じがちょっと出てくるから・・・




複素数っていうと、iがでてきますね。iが。


i2=-1

っていう奴。


なんでそんなもんがいるのか、っていう話がよくいろんなとこで言われますが




なんでいるのか!っていう話はまあ、これがあると便利なこともあるからあるんだよ。っていう話で今回の記事もその一端を紹介することになるわけd



まず複素数平面をずばり説明します。


いつものxy平面を考えてもらって


x軸のかわりに実数軸、y軸のかわりに虚数軸をとったもの


こんだけです。


だから、a+biは点(a,b)に相当します。


複素数 2i , -2+3i は、それぞれ点(0,2),(-2,3)に相当します。



ひとつの複素数は、複素数平面上のひとつの点としてあらわされるわけですね。


ではまずは足し算について考えましょう。

複素数の足し算は、実はベクトルの足し算と同じです。


(1-i) + (2+3i) = 3+2i 

図であらわすと、こうなります。


fukusowa.gif



ここまでは問題ないです。


問題はこの次。


複素数の掛け算



複素数平面を学習しない場合、(1+i)2 だの i/(1-i) だの計算させられて

計算の仕方はならったけど、何の意味があるのかわからない、っていう場合が多いと思う。


今日はそれに意味を与えます。


複素数の掛け算は

回転と相似拡大を表す!




いきなりですが身も蓋もない根拠を示します。小文字で。あとから解説するからなんとなくでおk。計算自体は、掛け算を展開して加法定理でまとめてるだけ。


複素数a,bについて、a=|a|(cosθ+isinθ) b=|b|(cosφ+isinφ) とすると

ab=|a||b|(cosθ+isinθ)(cosφ+isinφ)

=|a||b| { (cosθcosφ-sinθsinφ) + i(sinθcosφ+cosθsinφ) }

=|a||b| { cos(θ+φ) + isin(θ+φ) } ■





さて。式の中に、|a|が出てきました。絶対値の記号ですね。


・・・が。しかしぃ。-3の絶対値なら3ってわかるけども


1+i の絶対値って何?っていう話。


上で、複素数をベクトルみたいにあらわす話をしました。


aがベクトルだとしたら、|a|ってのはaの大きさ(長さ)を表すんですよ。

そこで、同じように考えてみる。1+iっていう点を複素数平面であらわすと、(1,1)に対応するので

原点と(1,1)の距離を考えて、√(12+12)=√2

こういうふうにして、|1+i|=√2 って考えます。

これが複素数の絶対値。



それから。上の式の中に、sinとかcosとかθとかφとか、角度がを表すものが出てきました。

なんで複素数に角度が出てくるのか。


これは、x軸から反時計回りにはかった角度を表すんだけど、まあ、図を見てくれれば、早いと思う。


fukusohenkaku.gif


aってのは複素数ね。画像だと大体・・・ -2+3iとかそんなん?まあ何でもいいや。目盛りもないしw


このθを、「偏角」って言います。




さて。とりあえず「絶対値」と「偏角」の説明は終わり。


複素数の掛け算の話に戻ります。

さっき、複素数の掛け算は回転と相似拡大を表す って言いましたが

具体的には


ある複素数に別の(同じでもいいけど)複素数を掛け算すると


原点からの距離が絶対値倍になって、偏角の分だけ回転する


んです。




これの証明が、上に書いた式ね。



んで、問題はこれが何に使えるのか、っていうこと。





ずばり、複素数の計算に使えるんですよ。




例えば。(1+i)2



1+iは、絶対値が√2で、偏角がπ/4(45度)です。点(1,1)に向かって原点から直線を引くことを考えてみればいいんです。


これを2乗すると、絶対値はそのまま掛け算して2、偏角は45度からさらに45度回転して90度。


ってことは、複素数平面上で、まっすぐ真上に向かって、原点から2だけいくと

点(0,2) つまり 2i にたどりつきます。


fukuso1i.gif



頭の中に図を思い浮かべて、矢印を伸ばしたりまわしたりしてみればいい、ってことです。




さらに。割り算にも使えます。


-2/(1+i) を考えてみましょう。


求める答えは、-2を1+iで割ったものなので、

逆にその答えに1+iをかけると、-2になるはず。


ということは。

1+iの絶対値は√2、偏角は45度なので

-2の絶対値を√2で割って、偏角を45度だけ戻してやればいい。


頭の中に図は浮かんでいますか?


fukusowari.gif


答えは -1+i です。




もうひとつだけ例をあげて終わっておきます。


1の三乗根の問題、って、見たことありますか。


よくある求め方は

x3=1
x3-1=0
(x-1)(x2+x+1)=0
よって,2次方程式の解の公式より
x=1,(-1±√3i)/2

1以外の二つの解は、ω、ω2とか表したりします。


なんですが、

実はこの3つの解、絶対値が全部1なんですよ。

で、偏角が、順に0度、120度、240度になってる



複素数平面で考えると、半径1の円上に、綺麗に120度ずつ円を三等分する方向に三つの解があって


ωとω2が両方とも1の三乗根になってることや

ω+ω2=-1 なども、図からわかるんです。


上で求めた解、1,(-1±√3i)/2 について、

ω=(-1+√3i)/2 、ω2=(-1-√3i)/2 として
複素数平面上に表すと・・・

3jokon1.gif

青い三角形は正三角形になってます。


実は、1の4乗根、5乗根・・・を複素数平面にあらわすと、正方形、正五角形・・・になったりします。すごくね?



以上!


今回の内容は、教科書に載ってない世代の方にとっては寄り道になってしまいますね。


また、教科書に載ってない世代の方は、テストや模試や入試などでこの解法を勝手に使った場合、高校の範囲を逸脱してるとかなんとかで減点される恐れがあります。

使ってはいけない、ということです。



ただし絶対ダメというわけではなく、上で書いたcosやsinの加法定理を用いた証明を自分で解答用紙に書いておけば、使うこともできます。


・・・が、基本的に、使わなくても解ける問題のはずなので、

答えだけ書けばいい計算問題を暗算するときや、求める答えを先に知ってしまいたい場合などに使うといいでしょう。


ただし。√3+i 1+i 1+√3i など、偏角がわかりやすい場合はいいですが(順に30°45°60°)

3+4iなど、偏角がよくわからない奴が出てくるともうこの方法で計算できないので、いつもどおり、分母の実数化など使ってがんばってください。


〜今回のまとめ〜

複素数平面で考えると
・複素数の足し算はベクトルと同じ
・複素数の掛け算は、絶対値をそのまま掛け算し、偏角の分だけ回転させる


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posted by 真田正大 at 19:38 | Comment(14) | TrackBack(1) | 複素数、高次方程式
この記事へのコメント
今回もためになる記事をどうもありがとうございましたm(_ _)m。

虚数とか複素数の掛け算とかは、一度Newtonで取り上げられていたのを読んだことがあったのでなんとなくは理解していましたが、この記事でより理解を深めることができました。Newtonで読んだときも複素数の掛け算は「相似拡大と回転」を使うと書いてあったのですが、そのときは何回読んでも頭に入ってきませんでした。でも今回の記事で複素数の掛け算の考え方はマスターできたと思います。
…最近、三角比を習い終えたので角度の問題に対する抵抗が小さくなった、というのも理解の手助けになったことだと思いますが。(つまり、Newtonを読んだときは「回転」が全然理解できなかったわけです。)

やはり、グラフなどを使って数値を可視化してもらうとすごく分かりやすいですね。僕もこのグラフのおかげで、sin,cosなど最近習った知識を総動員してようやく掛け算を理解できました。
…でもテストで使えないんですか…そうですか。こんなに頑張ったのに…(笑)。まぁ面白かったのでいいです(笑)。2年生になってからしかテストには出ないでしょうし。

最後の、1の3乗根の問題はどうしてもよく分かりませんでした。解の公式で求められるのは分かったのですが、この問題は複素数平面を使って解くことはできないのでしょうか?
僕には、3つの解の絶対値が1になることも偏角が0度、120度、240度になることも理解できませんでした。
やはり、ベクトルや複素数について学校でしっかりまなんでからでないとこのことについて理解するのは難しいのでしょうか(ノω・、) 。



真田正大
コメントありがとうございます!この記事で理解を深めてくださったそうで、本当に嬉しく思います!記事を書いた意味があったというものです!(笑)Newtonを読まれた時はおそらくまだ三角比・三角関数を学習しておらず、角度を直交座標系で扱うやり方が定着していなかったのでしょう。今そのNewtonの記事を読み直すと、より一層理解が深まると思いますよ! ・・・ただ、Newtonってよく学校の図書館や町の書店で立ち読みされる運命にあるので、そのNewtonを読み直す機会があるかどうか微妙ですが・・・
グラフなどを使って数値を可視化すると本当にわかりやすくなります。なんだかよくわからないものが一気に直感的にわかりやすくなるので、本当におすすめです。 ただそうですね、複素数平面はテストであまり使わないほうがよいですね、範囲外扱いになってしまうので・・・ でも、今回がんばったことは、必ず後に役立ちます!具体的には、「行列」というものを学習するとき、同じような考え方「回転と相似拡大」が登場します。・・・行列習うのは多分3年生ですけどね(笑)
1の3乗根の問題は、申し訳ありません、こちらの説明不足です。図を端折ってしまっていました。。。 該当部分について、参考となる図を描いて少し書き足しておきました。これで理解の助けになれば幸いです。1、ω、ω^2の順に偏角が0°120°240°で、絶対値はすべて1です。
Posted by RAB at 2009年10月02日 02:06
ぉお!!(゚ロ゚屮)屮。図まで描いてくださってどうもありがとうございます。

なるほど、だから絶対値が1で角度もこんなきれいになっているのか…。偏角の求め方は「π/4(45度)」こういうのをまだ知らないので、どこかに直角三角形を作って求める方法を使って理解しましたが問題ないですよね( ̄。 ̄;)。

理解できたのが嬉しくて、1の4乗根と6乗根も実際に計算してグラフを書いてみましたが、本当に正方形と正6角形が描けました。やばい。感動した(笑)。すごいですね、こんなに美しい図形がかけるものなんですね。
5乗根は、方程式の解き方がわからず挫折しちゃいましたが…。

おっしゃるとおり、Newtonは学校の図書館で読みました(笑)。すごく感心したのでまた読んでおきます。

数学ちょっと好きになったかもしれません(゚∀゚ )。



真田正大
いえいえ、図は最初から描いておくべきだった気がします。
偏角の求め方はそれで問題ないですよ!π/4っていうのは45度を違う表し方してるだけなので、偏角を求めるときは結局それしかないですb
4乗根6乗根の計算を実際にされたんですか!!すばらしいです(笑)そのように自分で実際にやってみて「すげぇ!」ってなることが一番良いことなんですよ!一応このブログでは、手を動かさなくても「へぇ」って思えることを目指して書いてるんですが、自分でやってみたときの「おぉ!」とはインパクトが比べ物になりませんw そうなんですよ、実は複素数って図形の扱いに長けてたりするんですよ。現行過程では習わないんですが・・・ 5乗根の求め方はそうですね、今僕が「解け」って言われたら・・・解ける・・かな・・?ちょっと怪しい(笑)
Newtonがまだ撤去されずに残っていたらいいですねw 
こういうところが数学の面白いところなんですよ。是非周りに広めてみてくださいw ・・・ただ、「なぁなぁこれ見て!!」みたいな感じで行くと、「は?数学?めんどくせ」みたいな扱いを受けかねないので難しいところですが・・・
Posted by RAB at 2009年10月03日 13:13
はじめまして☆
この前からちょくちょくのぞかせていただいてました。
授業で受けてきたことがイマイチだなッ
って時に見ると
あーなるほどッ!!って頭の悪い私でも納得しました。
今高2ですが、すでにおちこぼれてしまいそうな勢いです(´・ω・`;)
これからたくさんお世話になると思いますがよろしくお願いします| ̄ω ̄A;

真田正大
はじめまして!ご訪問&コメントありがとうございます!
なるほど、と思っていただけると私も本当に嬉しいです!ありがとうございます。
高2ですと、まだまだ、おちこぼれるには早いですよ(笑)。
参考に耐えうるサイトになるよう心がけていきますので、こちらこそよろしくお願いいたします。
Posted by hrn at 2009年10月05日 18:42
今回すごくカラー図がありですね。複素関数論への入口で、私が分かりにくい
位相幾何と双璧です。

真田正大
ありがとうございます!
カラーの図って結構見た目で捉えやすいですよね。
大学レベルの数学は抽象度が増してきて図や立体で考えるのもうまくいかなくなってややこしくなってきますよね・・・
Posted by ムラカミ at 2009年11月26日 01:29
どうしても複素数というモノが分からなかったのですが、この記事はめちゃわかりやすかったです。
でも偏角が分かりにくいものの計算がいまいち分からないのですが(´;ω;`)ウッ…
詳しく教えて頂きたいのですが・・・

真田正大
偏角がわかりにくい、偏角が中途半端できちんと求められないようなものに関しては、普通に分母を実数化して計算していくことになります。
Posted by 感動しました(`・ω・´)シャキーン at 2011年01月03日 13:15
はじめまして。「複素数」で検索したら出てきたので覗いてみました。今、塾の講師をしていて、中高一貫課程の中学生に二次方程式を教えていますが(「虚数解」という言葉は出てくる)、「複素数平面」はテキストになく、虚数のイメージをどう可視的に教えるか悩んでいました。三角関数の話はおいておいても、「回転」の話はできそうですね。さっそく「受け売り」してみたいと思います。ありがとうございました!

真田正大
こちらこそ、参考にしていただいてありがとうございます。複素数の掛け算は「拡大」と「回転」のイメージで捉えるとかなりわかりやすくなりますね。
Posted by mumemo at 2011年08月09日 22:18
正n角形っていうか円で捉えるべきでは?
Posted by むう at 2012年07月24日 19:21
拝見させていただきました。入試云々の話はあれど、複素平面は、他分野の確認の為にも効果あるし、それ自体に面白さがあって私的には好きです。ド・モアブルなんか、数学嫌いの私でも感動する逸品(笑)ですよね。何故出たり消えたりするのかさっぱり分からんです。
とまれ、堅苦しくなくて面白い解説でした。楽しかったです。
Posted by ミトコン at 2012年10月24日 00:18
わかりやすい解説をありがとうございました。

今まで機械的に計算していたのですが、
やっと計算の意味がわかりました。


ただ、私の画面では黄色や水色の文字が見づらいので、できれば違う色に変えて頂きたいです。


Posted by 星継 at 2013年03月03日 16:18
とても解り易い解説、感謝します。

自分より上の代で新課程が導入されるので複素平面が復活するという事態になってしまった為、有難かったです。

ところで行列にしろ複素平面にしろ、回転移動は記述できても平行移動は記述できないんですね......
Posted by 新・高校生 at 2014年01月26日 13:43
塾講師のアルバイトをしているのですが、複素数平面を習っていない世代なので困っていました。問題を解くこと自体は独学でどうにかなりましたが、いまいち面白さが理解できず・・・・。

しかし、今回このページのとっても楽しい解説で一気に面白くなりました。ありがとうございました。
Posted by calcal at 2014年02月13日 00:47
複素数平面簡単すぎワロタ
Posted by あ at 2014年03月20日 18:51
分かりやすい説明ありがとうございます!

ただ携帯で見たので黄色や黄緑色の字が読めなかったです(´><`)
後程パソコンでもう一度見させて頂きます\(*´∇`*)/
Posted by ハル at 2014年05月01日 08:20
読みたいのですが、PCだと全く文字が読めず
携帯だと薄い文字が一部文字が抜けます

濃い色に変更して頂くと助かります。
Posted by 通りすがり at 2014年12月03日 19:38
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