2009年05月23日

ベクトルの内積の意味


トップページはこちら
このサイトについて

・数学目次へ ・化学目次へ ・物理目次へ ・文系科目目次へ




前提記事:ベクトルとは何か・ベクトルの足し算


今回は、ベクトルの内積そもそも何をあらわしているのか、ということを、なんとなくでいいから感覚的につかめるといいな、っていうことを目指した記事です。


この記事内では、内積の計算上の性質とかそういうアレについてはあんま触れませんー。

内積習うとき、「こういうもんなんだよ!とりあえず覚えろ!」みたいな教え方されることが多いと思うので、今回はそれでは納得できない人向けに記事を書こうと思いまして。


んさて。

内積の定義を思い出してみましょう。

(a,b)=abcos.gif


このcosθってなんなんでしょうね。θは二つのベクトルがなす角、っていうことですがー


まずは数直線を考えてみましょう。



a=1 b=2
a=3 b=-2
この二つを例にあげるとー

suchokusenvector.gif



原点Oを中心に、正の数は右、負の数は左側にのびています。

ここで注目すべきポイントは、赤い矢印青い矢印平行になっているということです。



さてさてさて。

次へ進みます

a=1 b=2を例にあげて進めることにするとー

試しに絶対値の掛け算

|a||b|を計算してみます。

1×2で、abを普通に計算したときと同じですね。


次にa=3 b=-2を例にあげて進めることにしますよー


まず、単純にa・bを計算します。掛け算するだけ、-6です。

しかし、これは|a||b|=3・2=6には一致しません。

符号が逆になってます。-1倍になってます。

ここでもう一度この図を見てください。

suchokusenvector.gif

で、赤い矢印をaベクトル

青い矢印をbベクトルだと思ってください。


で、この二つのベクトルの内積を考えてみてください!

(a,b)=abcos.gif

何が言いたいか、わかっていただけました?

上の数直線では、、この二つのベクトルのなす角は0度です。

なのでθ=0、cosθ=1

内積は|a||b|cosθ=1×2×1=2



下の数直線では


この二つのベクトルのなす角θは180度です。
なのでcosθ=-1

aベクトルの大きさは3、bベクトルの大きさは2です。

これを内積の式に代入すると

3×2×(−1)

-6ということになるわけです!!


ね。なんとなく内積が普通の掛け算と似たような感じっていう雰囲気だけどことなく受け取ってもらえたりとかそんな風なようになっていただけました?


要するに何が言いたいかっていうと

二つの「平行な」ベクトルの内積は、そこに数直線を重ねると、ただの数字の掛け算と同じになる。


平行なベクトル同士なら掛け算できる、ってことです。




さて、ここまでダラダラと説明してきましたが

いよいよ本題、平行でないベクトル同士の掛け算について考えます。


平行なら、掛け算することができる。


平行じゃないときは、どうすればいいのか。


答えはこうです。

平行な方向を向いてる成分を取り出せばいい!


ここで、ベクトルは分解できる、ということを思い出してください。

aベクトルとbベクトルの内積を考えるとき、

bベクトルを、aベクトルと平行な成分と、平行じゃない成分に分解するんです。


そうすると、「平行じゃない成分」というのは、同じ方向、と、真逆の方向、のどちらを向いていてもだめなので、その両方から一番遠い向き、つまり、直角の向きを指すことになります。


要するに下の図のようなことを考えるわけです。

pictureabcos.gif
(a,b)=abcos.gif


どうですか!

ベクトルの内積っていうのは、平行な成分をとりだして掛け算するっていうことなんですよ!


反対側を向いてるときは平行な成分は数直線の反対側にくるので掛け算するとマイナスになるし

平行な成分がない、つまり垂直なときは内積は0になります。


もちろん、bベクトルの代わりにaベクトルを分解しても同じです。



違う方向を向いてるものは掛け算することができない。

そこで、平行な成分を取り出すことによって、掛け算を可能にしたわけです!


〜今回のまとめ〜

ベクトルの内積とは、平行な成分をとりだして掛け算したもの。

前提記事:ベクトルとは何か・ベクトルの足し算

・数学目次へ ・化学目次へ ・物理目次へ ・文系科目目次へ




========================================
ご意見、ご感想、文句、ご指摘、等
遠慮なくコメントやメールでどうぞ!
メールアドレスは右のバーの上のほうにあります。
他の記事へはトップページかサイドバーの目次からどうぞ。
トップページはこちら。
このサイトについて
========================================
posted by 真田正大 at 21:07 | Comment(22) | TrackBack(0) | 平面ベクトル
この記事へのコメント
簡単明瞭でうれしいです
以前、平均の速度は頂けせんでしたが!

真田正大
ありがとうございます!
平均の速度の記事では、ご期待に沿えず申し訳ありませんでした。記事、コメントをいくらか修正しておいたのですが、いかがでしょうか。
Posted by 村上 at 2009年05月25日 05:12
通りすがりの者です。
参考書には書いてなかった説明がわかりやすく書いてあったので、非常に参考になりました!

真田正大
ありがとうございます!ベクトルの内積って、教科書や参考書だと、その「意味」への言及がほとんどないんですよね。
参考にしていただけてありがたいです。今後もよろしくお願いします!
Posted by 三好 at 2010年05月23日 23:48
すごいです!!やっと内積の意味がわかりました!!ありがとうございます!

意味なんてないんだと諦めていました・・笑


真田正大
こちらこそ、。お越しいただきありがとうございます。
これも一つの解釈にすぎませんが、一つでも解釈を持っていると理解しやすさがかなり変わってくると思います。
Posted by 受験生 at 2010年07月19日 23:05
ベクトルの内積で検索をかけて、この記事を見つけました。
高校時代からの長年の疑問が吹っ飛びました。
ありがとうございました。

真田正大
お越しいただきありがとうございます。
これも一つの解釈なのですが、やはり一つ解釈があるのとないのとでは全然違いますよね。
Posted by 浪人 at 2010年08月26日 14:46
素晴らしい!

真田正大
ありがとうございます!
Posted by 774 at 2010年10月31日 14:21
「平行な成分をとりだして掛け算する」とうい説明は目からウロコでした。とても解りやすかったです。

真田正大
ありがとうございます。これからもよろしくお願いします
Posted by 55 at 2010年11月18日 16:51
この記事を見つけて読んだ途端、頭の中のもやもやが一気に吹っ飛びました!
内積ってずっとよくわかんないままだったので、すごく助かりました!
入試前日にわかって良かったです。明日頑張ります!


真田正大
入試前日ですか!ギリギリですね。入試の役には立てましたでしょうか。入試がうまく行ったことを祈っております。
Posted by H。(現役生) at 2011年02月08日 14:57
いろいろと見た中で一番わかりやすい解説でした。
すっきりしました。
ありがとうございます。

真田正大
よかったです。今後も是非参考にしてみてください。
Posted by もふ at 2011年02月12日 04:27
今日突然ネットサーフィンをした。内積というのは、あなたの図で、ベクトルa を立てて(原点からy軸方向に伸ばして)その長さとベクトルbを隣り合う2辺とする平行四辺形の面積と出たが、これが何の意味があるのだろう。自問中。
Posted by caca at 2011年06月19日 23:18
勝手に分かってきたぞ。3次元空間を考える。平面な地球上にある地点があり、南へaベクトルが伸びている。東へ水平面からシーター角上に上がった向きへベクトルbが伸びている。それを2辺とする長方形を上から見た面積を東が正、西が負として内積である。それが荷を意味するのだ?自問中。  
Posted by caca at 2011年06月21日 10:59
直前の投稿の本人訂正。面積を表から見た分が正、裏から見るようになれば負がよろしかろう。


真田正大
平行四辺形の面積、とのことですが、おそらく「外積」と勘違いなさっていると思います。
ベクトルaとベクトルbの外積a×bは、2つのベクトルが貼る平行四辺形の面積になります。
Posted by caca at 2011年06月21日 11:02
cosθの正負で鋭角・鈍角を判定できる♪

真田正大
その通りですね。
Posted by L at 2011年06月30日 22:29
高2です。

授業の途中からわからなくなり全然ついていけず
このままでテストは大丈夫なのだろうかと不安に思っていました。
授業の説明だけではわからなかったので、この説明を読みながら復習を兼ねて最初から問題を解こうと思っています!!
ありがとうございました(*^_^*)

p・s
高校の頃数学はどんな勉強の仕方でしたか?
よかったら教えていただけませんか?



真田正大
ありがとうございます。うまくご活用ください。
高校の頃の数学の勉強については
最初に概念を習い、理解する段階では、教科書を自分で読んだり先生の授業を聞いて理解していました。
演習して力をつける段階では、問題集を買ってやったりしていましたが、浪人時代には予備校の教材と過去問をやっていました。
Posted by ゆう at 2011年09月26日 23:26
やっと内積の正体が掴めました。
ありがとうございます。

真田正大
ありがとうございます!学校でも教えればいいんですけどね、なぜか教科書に載っていないのです。
Posted by ベクトル勉強中 at 2011年10月28日 18:07
ベクトルの内積を自分で学ぼうとして混乱していたところにこのサイトを見つけ、すっきりしました。
「何をするか」という目的がはっきりすると、式の暗記をする必要もなくなるので助かります。

ベクトルとは関係のない質問なんですが、本を読むこつってありますか?
最近科学系の本を読むんですが、どうも内容が頭に入ってこないときがあります。
何か効率的な本の読み方があれば、教えていただきたいです。
Posted by (`・ω・´) at 2012年01月01日 19:29
すっごくわかりやすくて、
とても感動しましたし、納得できました。


ありがとうございました!!
Posted by のり at 2012年06月16日 06:15
わかりやすい!素晴らしい!
なんか感動したのでコメントしました。
Posted by 九郎 at 2012年09月01日 12:21
こんにちは!高校生です!
すごくわかりやすいのですが、
最後の、 |b|cosθ のところで、
なんでそこの長さがそうなるのか、
いろいろ考えたり検索したのですが
どうしてもわかりません(>-<)
よかったら教えてください!
Posted by めろ at 2012年09月02日 00:01
現役高校生ですが、とても分かりやすいです。
授業で全く理解できなかったのですが理解できました。
これからこのブログを参考に勉強させていただきますね。

>>めろさん のコメントに関しては
|b|にcosΘをかけるとその分の傾きが無くなり、
|a|と平行になるからでは?
手遅れでしょうが、後の疑問に思った人のために一応
Posted by Merle at 2013年05月21日 17:05
とてもわかり易かったです
ありがとうございます
Posted by 名無し at 2013年07月04日 21:18
こんにちは、あいと申します。
今までで一番わかりやすい解説でした。
しかし、これだとスカラー倍の定義との違いは何ですか?
Posted by あい at 2013年07月10日 08:03
なんとなくわかりました!!
ありがとうございます!
Posted by wate at 2013年11月29日 02:10
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/120073477

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。