その微分前の関数F(x)を考えて、
F(b)-F(a)とすると、面積が求められる。
高校ではこう習います。
しかし、
何故これで面積が求められるのか
が、あまり説明されません。
「とにかく!微分前の関数を求めて、aとbを入れて差を出せば、面積が出るんだよ!覚えろ!」
という感じです。
「何故だ!何故なんだ!」と思いながらも仕方なく黙って受け入れて使っている人も多いと思います。
ここではそれを説明します。
まず、F(x)という関数を微分することを考えてみましょう。
F'(x)=f(x)
とします。

これを図で考えて微分します。
まず、これを、縦にザクザク切り刻みます。

切り刻みの幅はΔxです。
この、黄色い縦線で仕切られた各エリア内でF(x)の変化した量を
左から順に
ΔF1、ΔF2、ΔF3、・・・
とおきます。

4,5,6,7番目は、F(x)が減少しているので、ΔFはマイナスになります。
これを使って、F'(x)=f(x)のグラフを求めます。
f(x)の値は、F(x)の傾きです。つまりΔF/Δx
なので、f(x)の値は、左端から順に、
ΔF1/Δx ΔF2/Δx ΔF3/Δx ΔF4/Δx ・・・
となります。

これにうまく沿うように線を引きます。

さて。これでy=f(x)のグラフがかけました。
これが、微分です。
いや、全然ちゃんと微分したわけではないですが、切り刻みを細く細く、Δxを小さく小さくしていけば、微分になります。
わかりやすくするため、少し大ざっぱな切り刻み具合でお送りしております。
・・・さて。
今回のテーマは微分ではなく積分でした。
今使った考え方をもとに、y=f(x)のグラフの面積を求めてみましょう!
y=f(x)の、x=aからx=bまでの面積を求めてみましょう。

3ブロックにわかれています。
この3ブロックの面積の合計が、だいたい、求めたい面積になります。
切り刻みを細かくすればするほど、ブロック数が増え、ブロックの面積の合計は求めたい面積に近くなっていきます。
で!ここで、さっきの図に戻ります。
この3ブロックの面積の合計って、その微分前であるF(x)を使ったら、求められる気がしません?

画像の左側に注目してください。
一番左のブロックの面積は、縦×横でΔF1
同様に、二番目のブロックの面積はΔF2、三番目はΔF3
つまり、求めたい面積は
ΔF1+ΔF2+ΔF3で求められるということになる!
ところで、この ΔF1+ΔF2+ΔF3 という値

この画像の、赤い矢印で示した長さが、まさに
ΔF1+ΔF2+ΔF3
という値になっているわけで、そしてこの値こそが
F(b)-F(a)
になっているわけです!
y=f(x)のグラフのx=aからx=bの面積を求めるときは
微分前のグラフを求めてF(b)-F(a)を計算する。
微分前のグラフを求めるには、上で微分をやったのと逆の動作をする。
つまり、
y=f(x)のグラフを幅Δxで切り刻んでブロック分けして
それぞれのブロックの縦の長さをΔx倍して
となり同士のブロックの角と角が合うように並べる
すると、y=F(x)、つまり微分前のグラフが現れているので、
F(b)-F(a)を計算すれば、求めたい面積が求められる。
ということなのです!
次は、先ほどから使っているこのグラフy=f(x)の左端から右端までの積分を求めてみましょう。
左端はすでにaとおいてあります。右端はcとしましょう。
x軸の上にいったり下にいったりするグラフ(値が正になってり負になったりする関数)を積分すると、
(x軸の上にある部分の面積)-(x軸の下にある部分の面積)
が出てきますが
何故このようになるのかも、これで説明がつきます。
今回、ΔF4、ΔF5、ΔF6、ΔF7は負の値です。
これらが、y=f(x)のx軸より下の部分の面積を表しているわけです。
そして、ΔF1からΔF10までを全部足すと、F(c)-F(a)になるわけです。

以上!これで、何故微分前の関数を使って面積が求められるのか、おわかりいただけましたでしょうか!
〜まとめ〜
y=f(x)のグラフのx=aからx=bの面積を求めるときは
y=f(x)のグラフを幅Δxで切り刻んでブロック分けして
それぞれのブロックの縦の長さをΔx倍して
となり同士のブロックの角と角が合うように並べる
すると、y=F(x)、つまり微分前のグラフが現れているので、
F(b)-F(a)を計算すれば、求めたい面積が求められる。